デザイン副業の「リアルな単価」を知る

副業デザイナーとして動き始めたとき、多くの人が最初につまずくのが単価の設定です。クラウドソーシングサイトを見ると、同じ「バナー制作」でも500円〜3万円まで幅があります。この差はどこから生まれるのか。まず現実の相場を把握することが、収入アップの第一歩です。

以下は副業デザイナーが実際に受けることの多い案件の単価レンジです。クラウドソーシング(初〜中級)から、直接受注(中〜上級)まで3段階で示しています。

制作物 入門〜初心者 中級(実績あり) 上級(直接受注)
バナー・広告系
バナー(1枚) 500〜1,500円 2,000〜5,000円 5,000〜15,000円
SNS投稿デザイン(1枚) 300〜1,000円 1,500〜4,000円 4,000〜10,000円
LP・Webデザイン
LP(1ページ) 10,000〜30,000円 30,000〜80,000円 80,000〜200,000円
Webサイト(3〜5P) 30,000〜60,000円 60,000〜150,000円 150,000〜400,000円
ロゴ・ブランディング
ロゴ制作 3,000〜10,000円 15,000〜40,000円 50,000〜150,000円
名刺・会社案内 5,000〜15,000円 15,000〜40,000円 40,000〜100,000円

同じ制作物でも、単価は最大10〜20倍以上の差が生じます。「なぜあの人は高く売れているのか」——その差は技術の差ではなく、ポジショニングと提案力の差です。

月収5万円までの3ステージ

副業デザイナーの収入は、段階的に上がっていきます。どのステージにいるかを把握することで、次に何をすべきかが明確になります。

Stage 1 〜月1万
実績ゼロから最初の受注へ
クラウドソーシングでの低単価案件をこなしながら、ポートフォリオを3〜5点揃える期間。スキルより「受注経験」の積み上げが最優先。
クラウドワークス ランサーズ ポートフォリオ制作
Stage 2 月1〜3万
専門性を絞って単価を上げる
「LP専門」「飲食特化」など軸を絞り、実績写真とレビューで信頼を積む。クラウドソーシングと並行して、SNSや知人からの直接受注を開拓し始める。
ジャンル特化 X発信 紹介受注
Stage 3 月3〜5万+
直接受注・リピートで安定収入へ
月次契約・顧問型など継続案件を2〜3件確保し、クラウドソーシングへの依存を減らす。単価3万円以上の案件が主体になる段階。
継続契約 月次顧問 直接受注
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単価が上がらない3つの原因

多くの副業デザイナーが「頑張っているのに稼げない」と感じる背景には、共通したパターンがあります。

01
「なんでもやります」で専門性がない
バナーもLPもロゴも——と守備範囲を広げると、どれも「中途半端な人」に見えます。クライアントは専門家に頼みたい。分野を絞るほど、同じスキルで高く売れます。
02
制作物の「結果」を伝えていない
「バナーを作りました」ではなく「CVRが1.2倍になりました」「問い合わせが月20件増えました」——成果の言語化ができていないと、デザインはコストとしか見られません。
03
クラウドソーシング依存で競争から抜け出せない
クラウドソーシングは価格競争の場。「安い人を探したい」クライアントが集まる構造上、単価は上がりにくい。直接受注・紹介経路の開拓が単価アップの必須条件です。

単価を上げる4つの戦略

原因が分かれば対策は明確です。以下4つを順番に実装していくことで、単価は着実に上がっていきます。

1
ジャンルを1つに絞り、「〇〇専門」を名乗る
「飲食店のLP専門デザイナー」「美容院向けSNSデザイン専門」など、特定のターゲットに絞ることで競合が激減します。実績が少なくても専門性の訴求だけで単価は1.5〜2倍に上がります。
例:「美容院専門 → 業界の集客課題を熟知していると伝わる」
2
ポートフォリオに「成果」と「意図」を載せる
制作物の画像だけでなく、「なぜこのデザインにしたか」「クライアントの課題は何か」「結果どうなったか」を文章で添える。思考が見えるポートフォリオは、単純な比較から外れられます。
例:「クリック率を意識してCTAを左配置に → 結果スクロール率1.4倍」
3
「制作」ではなく「課題解決」として提案する
「LP制作15万円です」ではなく「集客が課題とのこと。LPとGoogleビジネスプロフィールを合わせて整備すると問い合わせが安定します」という提案は、価格ではなく価値で判断してもらえます。
例:「単品売りではなくパッケージ提案で客単価を上げる」
4
継続案件・月次契約に切り替える
1案件ごとの単発より、「月3万円で毎月バナー4本+SNS素材8点」のような月次契約が収入の安定に直結します。既存クライアントへの継続提案が最も成約率の高い営業です。
例:「月3万 × 2クライアント = それだけで月6万円安定」

月5万円到達のロードマップ

具体的なスケジュール感として、副業開始から月5万円に到達するまでの標準的な流れを示します。本業の傍らで週10〜15時間確保できる前提です。

1
Month 1〜2
準備・最初の受注 目標:月〜5千円
クラウドソーシングに登録し、低単価でも受注経験を積む。Canva・Figmaでポートフォリオ用サンプルを3点制作。
クラウドワークス・ランサーズで5件以上受注
ポートフォリオサイト(Notion or Canva)を公開
専門ジャンルを1つ決める
2
Month 3〜4
専門化・単価引き上げ 目標:月1〜2万円
専門ジャンルに絞って提案文を刷新。Xで週2〜3回の発信を開始し、「デザイン副業している人」として認知を作り始める。
専門ジャンル実績を3件揃える
X(旧Twitter)でデザイン発信開始
1案件あたりの単価を1.5倍に引き上げ
3
Month 5〜6
直接受注・紹介へ 目標:月3万円
知人・前職つながりへの提案、SNS経由での問い合わせ対応。継続案件を1件獲得することで収入が安定し始める。
知人・コミュニティへ直接提案(5社以上)
継続案件1件を確保(月1〜3万円)
LINE公式アカウントへの誘導を開始
4
Month 7〜12
月5万円安定 目標:月5万〜
継続案件2〜3件+単発の高単価案件の組み合わせで月5万円が安定。この時点でクラウドソーシングへの依存はほぼゼロにできる。
継続契約2〜3件(合計月3〜4万)
高単価案件(LP・サイト)月1〜2件
紹介経由の受注比率50%以上
副業の収入は「頑張り量」より「仕組みの質」で決まります。月5万円の壁を超えた人のほぼ全員が、単発案件から継続案件へのシフトを経験しています。

まとめ:単価は「上げる」ものではなく「設計する」もの

デザインのスキル自体は、単価にほとんど比例しません。何に特化しているか・成果をどう伝えるか・どこで仕事を取るか——この3点の設計が単価を決めます。

クラウドソーシングの低単価から抜け出せない人のほとんどは、「もっと上手くなれば単価が上がる」と信じてスキルに投資し続けています。しかし実際には、今のスキルのまま「伝え方」と「取り方」を変えるだけで単価は倍以上になります。

まずは自分が今どのステージにいるかを確認し、次のステップを1つ実行することから始めてください。

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